人の質問(ヒアリング)に答えようと思うとき
- 何か情報を吸い取られて,色々なことに使われるのではないか?
- こちらだけ情報をあげて,そちらからは何ももらえないの?
などと思うからである.
つまり,ヒアリングはどうすればよいということはよく書いてあるが,
ヒアリングされる側のことは考えているか?
というのがこの記事の主旨である.
質問しながら相手のことを考える
質問されるということは自分,もしくは自分の知識に興味があるということなので,それ自体が嫌がられることはあまりない.
気を付けるべきなのは
- 質問だけで終わってしまうこと
- 過去にした質問を何度もしてしまうこと
である.
こういうのは本当によくないが逆にヒアリング時に会話を弾ませる方法はないのだろうか?
それは適度に相手の興味のある話をすることである.
興味のある話というのは相手の回答したことにこちらの興味を見せることでも可能だ.
失敗するヒアリングでありがちなのは回答時の相手の反応も見ずにすぐに次の質問に移ってしまい,機械的な対応をしたことに機嫌を損ねられるパターンである.
要はヒアリングされる側からすると
「この人,本当に自分の知りたいことだけを聞くんだな」
「私や私の話したことに興味があるわけではないんだな」
と思うのである.
そして,その空気を読めないとますます失敗の方向に行ってしまう.
回答に対して同調して別の例を挙げる
そこで,相手の回答に対する理解を深めるために「別の例」を挙げるのは有効だ.
「こういう時はこうですよね?」
などである.
それで相手の反応を見れば,自分が本当に理解していたかが分かる.
「違う違う,そうじゃない」
と言われれば,
「え?どういう意味だったんですか?」
と聞き直して,認識の間違いを修正できる.
「そう」
と肯定されれば自分の理解が間違っていなかったことが分かるし,相手にもしっかり理解しているぞということを伝えることが出来る.
回答に対して別の質問をしてみる
回答が思っていたものと違う場合は,自分が予想していた回答をぶつけてみるのも面白い.
「え,そうなんですか?私はこうでこうだから,こうだと思っていました.」
などというと,案外,相手もまんざらでもない風に
「ああ,素人だとそういう考えになりますよね.」
などと「私だから分かるんだ」という自尊心をつつかれて得意になってもらえることも多い.
このように言われたときは大抵,実のある話を聞くことが出来る.
やはり,素人でも少し考えておくことは重要なのだ.
何も知らない人相手に話すのは疲れるが,ある程度,予習している人と話すなら,全部話す必要はないので気持ち的にも少し楽になる.
自分が人にものを教えるときのことを考えてほしい.
全く知らない人に一から教えるのは大変ではないか?
また,わざわざ私に聞かなくても「本で調べたり,他の人に聞いても分かるんじゃないの?」と思う時はないだろうか?
要は自分にしか教えられないことではないことに時間を割かれるのが我慢ならないのである.
実際,自分で調べれば分かるのに「私を辞書やネット代わりに使うな」と思っている.
回答に対して別の側面からの別の回答をぶつけてみる
「そういう考え方もありますよね.別のところでの話ですが,こういうことを言っている人もいました.」
などと別の考え方を言ってみるのも面白い.
相手が好奇心旺盛な人の場合は「それはどういうこと?」と改めて聞いてくる.
そうなれば,ただ聞いている人ではなくなり,新しい情報を教える人にもなるのだ.
そうなると相手もこちらの知らない知識を披露しようと色々教えてくれることもあって会話は非常に弾むのだ.
ある程度,深い考えを持った人同士の会話は他の人は入っていけなくなる可能性があるが,二人にとっては余計なことを話す必要もなく,本質だけをぶつけあえるので楽しい会話となるのだ.
自分の存在価値が確かめられるようなヒアリング
自分でないと答えられないというような質問(ヒアリング)こそがよい質問となる.
そして,それに答えることで自分の存在意義が改めて認識できるので,答えている方も気持ちがよくなる.
相手に気持ちよくなってもらわないと情報を教えてもらうことは難しい.
以上のようなことを考えると下調べは重要だし,自分なりの考えを持っていないとヒアリングは難しいことが分かる.
つまり,ヒアリングをすること自体が自分の知識を増やし,考えを深めることに繋がるのである.
そういう意味でヒアリングすることというのは実際問題,簡単なことではないのである.
「何も考えずにヒアリングをすると失敗することになるので気をつけましょう」という話でした.
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