営業力を上げれば売上が上がると思っていませんか?

最終更新日: 公開日: 2021年08月

今回の話はとりわけ重要な話で本当はお客様だけにお話するような内容であるが,しかし気づいている人は気づいていると思われるので公開してみる.

以下の内容を読んで「なんとなくわかるけど,もっと詳しく聞きたい,相談したい」という場合はこのページのフォームから遠慮なくご相談ください.
多くの会社で直面していることだと思います.

営業力を上げればいいというものでもない

「営業力を強化せねば」という言葉は非常によく聞く言葉だ.

企業が存続していくために営業力の強化は非常に重要なことだ.
そのため,いわゆる営業支援システムを導入する会社は多い.
会社に顧客との履歴が残ればそれは会社の資産となり,ひいては会社の営業力アップにつながる.
弊社も営業支援システムを開発,提供しているので,これに異論はないのだが,最近特に感じることを書く.

営業力は重要であるが,企業が存続していくために本当に必要なことは売上を安定的に増やしていくことである.
実際には売上が下がらなければよいのだが,様々な事情があって今まで売れていたところが売れなくなることは普通に考えられるので新規で売上を増やしていくようにしなければ売上は下がると考えたほうが良い.

売上が下がり続ければ最終的に経費を賄えなくなって倒産する,当たり前の話なのだから.

「商談数 x 成約率」 ではあるが...

以前に売り上げを増やすために必要なことをピラミッドのような形で説明したことがある.

ここで「商談数 x 成約率」ということを書いている.
一般的に営業力というと成約率を上げることを指すように思う.
そこで,お客様との話の仕方とか聞くべき内容を訓練している会社は多いはずだ.

しかし,実は商談といっても,最初から乗り気の商談と全然乗り気でない商談が存在することを忘れていないだろうか?
そもそも最初買う気のなかったものまで買わせてしまうのは確かに営業マンの腕であり,営業力と言って差し支えないだろうが,最初から買う気のある人の場合,普通に受け答えしていれば通常は買ってもらえるものだ.

ということはつまり,最初から買う気になっている人の場合,いわゆる営業力はそれほどいらないことになる.

商談数と言っているが,実はその商談には「質」というレベルがあるということだ.

獲物を狙っているトビの写真があるが,この状態のトビであれば食べる気満々である.
同様に買う気マンマンの人と全くそうでない人に対して起こった商談は「質」が全然違う.

「成約率」を上げるためには失注(※売ることに失敗すること)の原因を減らすと先のページには書いてあるが,これも実はここの案件によって変わってくる.
全体的に成約率を上げる手法などはなく,あるお客様に取っては商品の仕様を見直すことかもしれず,あるお客様によっては営業マンの対応の良さなのかもしれない.

なので,ここまで書いたことを元により正確に書くと

予想売上 = 「各商談の予想売上額 x 各々の商談の質のレベル x 営業マンのスキルレベル x 商品・サービスのレベル」を足したもの全体

となる.
ここでレベルは 1 が最大となる.0 ~ 1 の間をとる数字と考えてほしい.

ここでは4次元の式になっているが,自社の売上がどの次元を高くするべきかをよくよく考える必要がある.

以下,それぞれの変数に関して説明をしながら最適な方法について考察してみる.

予想売上額

その商談で売るべき商品やサービスの合計額である.
当然,大量に必要になれば額は上がるし,違う種類の複数の商品を提供できれば,それでも額は上がってくる.

方法としては

「他に同様に困っている場所はありませんか?」

「ここは解決したとして,次にこういうところで困ることになりませんか?弊社にはそういう場合にも良い商品が別にあります.」

と言った感じで商談の規模自体を膨らませることができるかどうか,この辺りは後で述べる営業マンのスキルレベルにもよってくる.

商談の質のレベル

商談の質というのは,お客様のやる気,必要度合い,困り度に関連している.

当然,困っているところへそれを解決する商品・サービスを提供できるとなれば商談の質は上がる.

商談の質の上げ方

商談の質は元々のマッチングの度合いによって決まってしまう.

既にお客様の方に困ったことが存在して探している時はマッチした商品・サービスさえあれば,売れる可能性は高くなり,商談の質も高いと言える.

既存客に連絡した場合や初めて訪問したお客様などの場合は仕事内容を教えていただき,効率化できるようなところを見つけられれば提案を行うことによって,これまで困っていなかった問題点を顕在化させることが可能になる.
この場合は営業スキルがかかわってくるが,いずれにしても営業側から問題点を発見するという少し無理な段階を踏むことになる.

ただし,提案を行うにしても,提供するサービスや商品が多種類あれば何らかの提案はできるが,一種類とか数種類しかない場合は無理がある.
サービスや商品の種類が多い会社,事業ほど商談の質を上げるのも容易(たやす)くなってくるというわけだ.

マッチング度合いの高い商談を見つける最も良い方法

ということで営業のスキルによって無理やり商談の質を上げなくても,元々質の高い商談を見つける方法があれば,それが最も良い.

それが何かというと「ホームページから来る引き合い」なのである.

今は基本的にホームページを重視する会社が多いがまだまだそこが分かっていない会社が多い.
実は大変無駄な労力を費やしている可能性がある.
考えれば簡単な話だ.

営業は普段何をやっているのか?

ホームページから 10 回引き合いがあったとしたら,5 回は売れるとしよう.
これは会社によっては決して多い数字ではないはずだ.もっと売れる会社もあるだろう.ここでいう引き合いは単なる問い合わせではなく,こういう場合は使えるのでしょうか?とか見積もりくださいと言った具体的な引き合いのことである.

新規のお客様を電話帳から電話したり,工場通覧などの何らかのリストを手に入れて一件一件電話することを考えて,10回電話したとしよう.恐らく1回も売れないはずである.100 回,もしくは 1000 回ぐらい電話しないとたまたまニーズが見つけられて売れることなど稀である.特に商品数が多い会社ならいざ知らず単品や数種類の商品で勝負している会社にとって電話しまくって新規の売上を上げることなどほぼ無理に近い.

実際,朝から晩まで営業が何をしているか確認してみるとよい.
普通の会社はずっと電話しつづけたり,ずっと訪問し続けるということは難しいはずだ.

しかし,私が前にいた会社は実際やっていた.

そういう業務がきついとかきつくないとかいう以前に普通の会社はそういうことが出来ないはずだ.
なぜかというと,常に電話し続けるためには何らかの連絡する理由が必要だからである.
そうでなければ「忙しいのに電話してくんな」で終わりである.

何もないのにキャンペーンなど常に行うのは難しい.

また,既存の商品をキャンペーンと称して一定期間安くするという方法は良くない.
OKストアの飯田会長が言っていた言葉が非常に印象に残っているが,「なぜ,エブリディロープライスをしているか?」という問いに対して,

  • 安売りキャンペーンをするとその時が来るまで買わなくなってしまう.つまり普段の日に売れなくなる.
  • キャンペーンの時にお客様が殺到するので,準備に忙殺されたり,店員の増員をしたりで手間がかかる.

のようなことを言われていた.まさにその通りで特に安売りキャンペーンなどは本来するべきことではない.
スーパーではなく電話や訪問販売でも同じことである.
いずれ安くなる時期が来るなら,その時まで待とうという心理になってしまう.

何らかの話題の提供が必要であるが,最も簡単なのは新商品の紹介である.
そのためには紹介できる新商品がどんどん出てくる必要がある.

いわゆる
「こんな商品出たんですけど使えませんか?」
である.

さらに普段何もなくても電話の出来るお客様の数がある程度ないとすぐ電話する相手がなくなってしまう.

つまり,

  • 既に持っている商品・サービスの種類が多い.
  • 新規で紹介できる商品が頻繁に出てくる
  • 見込み客先数がある程度多い.

という条件を満たさないと四六時中訪問して,電話してという状態を継続することは難しい.

営業が力を発揮するためには上の条件がまず必要になってくる.

そうすると

  • 商品を既に開発してきた過去
  • 新規商品をどんどん企画できる力
  • 見込み客先数を常に増やしていける販促力

というこれらの条件が必要なことが分かる.

この中で難しいのは二番目ぐらいだと思われる.
しかし,この二番目がないと普通の営業には新規の売込み電話が出来ない.
悩ましい問題である.

これを解決する手段がある.これから書くことは上記条件を満たしてガンガン普段から営業出来ている会社には必要のないことである.
ただし,そのような会社は世の中にほとんどないことは分かっているので,この解決手段はほとんどの会社にとって有効な話だ.

今まで書いてきたことから勘の鋭い方は既に気づいているかもしれない.

そう,ホームページの事例紹介を増やすことだ.

営業は事例紹介の記事を書きまくる

引き合いではなく,飛び込み形式の新規の営業が非常に難しいことは先ほど書いた.
なので,引き合いの営業だけしていればよい.これは先ほどの三条件を満たさない普通の会社なら効率の問題からもそうすべきである.

であれば空いた時間は何をするのか?

ひたすら事例紹介を書くのである.

事例紹介を書くメリット

事例紹介と一言で言ってもやることは実に深い.
そもそもお客様に御用聞き営業している段階だと何も記事を書くことは出来ない.

真摯にヒアリングする姿勢

記事を書くためにはお客様がその商品・サービスを必要とした背景が必要になる.
さらにどのような検討過程を経て商品を購入に至ったかを完全に聞きだす必要がある.

と言っても聞けばよい話なので駆け引きなど存在しない,ただ真摯に聞いて分からないことは質問して分かるようになればそれでよい話だ.

自社商品・サービスを理解することの重要性に気づく

お客様と話をしていると気づくはずだ.

「ああ,このようなことが気になるのか.」
「そういう点が我が社の商品の良いところなのか.」

つまり,孫子でいうところの「己」を知らないのだ.知っているつもりだったけど,実は知らないし分かっていないことに気づかされるはずだ.
その時改めてその部分を掘り下げていくと新商品のヒントが隠れていることは多い.

以上のように事例紹介を書くことによって生じるメリットは計り知れない.

営業マンのスキルレベル

営業マンのスキルと言ってもいろいろある.
また人によって定義は様々なものになるだろう.

そこでここはあえて主観で書かせてもらう.

営業マンの能力のうちの最も大切なものは

コツコツと決められたことをやり続けることが出来ること

だと個人的には思っている.特に前述の三条件がそろった会社であれば

同じことを愚直にやり続けられる能力

こそ大事な能力である.

この能力にさらに

  • お客様の立場を想像しながら何が必要かを考えられる力
  • 自社商品・サービスを全部把握していて,最適な提案を作り上げる力

が加わればよい.

ただし,これらのことも先ほどの商談の質のレベルが最初から高いものであれば不要である.
つまりコンサルティング能力はあったほうが良いがなかなか高度なもので特訓しても「身につかない人には身につかない.」
そこで最初から質の高い商談を引き寄せてくることの方が重要になってくるのである.

商品・サービスのレベル

ここも実は重要な話である.

多数の商品を扱っていれば,その商品が残念ながらうまくマッチしなかった場合に他の商品をお勧めすることが出来る.
また,その商品は問題なく売れたとして,それとは別の商品も場合によって売れる可能性もある.

「新商品出ないんですよ」問題

長年,製造業のお客様と話をしていると「新製品がずっとないんですよ」という言葉をよく耳にする.
先ほどの三条件を満たしている会社ではこんなことはあり得ないのだが,実際多い.
そもそも新商品を作り出す仕組みがなくなっているような会社もある.

そもそも商品の種類がそれほどない問題

「いや,あるよ!実際!」
といわれる会社も多いだろう.

しかし,よく考えてほしい.
それは似たような商品ばかりではないだろうか?

また,同じ系統の人たち向けの商品ばかりではないだろうか?

つまり,販売促進系の人向けの商品であれば,そういう商品ばかり.
例えば,機械設計の人向けの商品であれば,そういう商品ばかり.

それだと商品の幅は広がらない.

「いや,別職種の人だと大変じゃん?」
といわれるかもしれないが,実は同じ会社の別職種の人にアクセスできることは大変なメリットがある.

複数の分野の違う方達向けの商品を持つメリット

たとえば,機械の設計を考えてみよう.
機械設計担当は従来機械図面を引くことが仕事であり,モーターやセンサーから入力部分の電気関連は電気設計担当に任せるというのが普通である.
しかし,電気の動きが分かっている機械設計が作った図面は電気設計担当にとっては受け入れやすいはずだ.

通常,ホームページ担当は販売促進の方がされている.業務が多くなるので営業が兼務することは稀だ.
しかし,営業担当者にホームページのスキルを身に着けてもらって改良をしてもらうと非常にホームページが良くなる.
これは実際に売る人が書いたほうが現場のことが分かっているのでお客様の立場に立てるためだろう.
「ホームページの改良」というサービスは販促向けだけでなく,営業向けでもあるのだ.

実際に私の知り合いでヨガの先生がいるのだが,この方は書道の師範でもある.
もともとヨガを習いに行っていたのにいつの間にか書道も習っていたなんてことが実際にあるのだ.
これこそ,複数商品を持っていれば同じ人にも何回も売れるという良い例である.

つまり,売り先の違う商品が複数あるとそのように別の職域の人を引き込んで売るということもできるわけである.

専門化が進むことによるデメリット

今は専門職化が進行していて,プロフェッショナルなどという言葉もあるが,弊害もかなり出ている.

医療ではこんなことが起きている.
昔の町医者はかかりつけ(行きつけ)の先生のようになっていて,何でも診てくれた.
しかし,今は専門的になりすぎていて,ここから先は違うとなってしまう.
治す場合も「動脈瘤の手術は成功しました」といいながら下半身不随になってしまったりしている.
もともと普通に歩いていたのに.
つまり,自分の担当の所だけ治せれば成功!OKだ!というわけである.

ホームページの制作でも同じことがいえる.
デザインに凝りまくって確かに見た目はバッチリになったとしても検索エンジンにほとんどマッチしなくなったなんていう話を聞くことはざらにある.

Π型人間・Π型企業のススメ

Π型人間という言葉があるが,専門分野を複数持つ人たちのことである.

人間一つの事しかできないというより,複数の事,もっというと全体を分かっていたほうがよいのである.

企業のサービスも複数あるといろいろなことを薦めることが出来る.

弊社は基本的にどんな業種でも対応可能ではあるが狭い製造業の中だけとったとしても,営業の相談も受けられるし,販促の相談も受けられる.企画のコンサルティングも可能だ.場合によっては開発の相談も受けたりすることもある.
何でも相談できる方が安心ではないだろうか?

そういう意味でも複数の分野の商品・サービスを抱えていることは重要なことである.

  • 自社は商品開発に力をいれているだろうか?
  • お客様のいいなりにただ開発しているだけではないか?

よく考える必要がある.

まとめ

経営者の方は自社の事業の在り方についてもう一度見直すと本当に売上を上げるためには何をすればよいかが見えてくるはずだ.
闇雲に営業力を上げるだけが事業運営の方法ではない.

ここまでの長文を読み切った方がいればいいのですが,困った時は下のフォームからご連絡ください.
何らかのアドバイスが出来ると思います.

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