事例集についての考え方
ホームページに用途事例は必須といえるほど必要なものである.
しかし,「用途事例を用意して下さい.」というお願いに対して,企業の担当からよく聞く断り文句として,
- お客様がどこで使われているか,分からないので書けない.
- 正しいかどうか,しっかり検証していないから書けない.
- 聞いた話なので本当かどうか試していないので無責任なことはかけない.
- お客様の機密情報なので教えてくれない.
など並びたてられて,ホームページへの記載を逡巡されることがよくある.
こういう時の考え方について書いてみたい.
事例は矛盾してたっていい
あるお客様の環境では成立していることが別のお客様の環境では成立しないこともよくある.
だから,その情報が嘘でない限り掲載すればいいのだ.
事細かに周囲環境に関して書いておけば,もちろんそれを参考にする人は助かるがヒントのとっかかりだけでも書いていればそれだけでも大いに助かる人はいるし,それによって「この会社に聞いてみよう」と問い合わせてくれる人もいる.
あくまでも,そのお客様が自社の商品を使って,どういうことをしたかが分かればいいのであって,それを再現できるレシピを書かなければいけないわけではない.
売っている料理本ですら,再現できないことは多い.
絶対,「本に書いていない何かをやっている(使っている)だろ?」と思うこともある.
「このお客様の所ではこの商品を使って,こんなにいいことがありました」
というのが事実である限り,掲載させてもらえばよい.
世の中,全く同じことをしようとしている会社ばかりではない.実際のところ,それを参考に別のことをしようとすることの方が多いだろう.
何に使っているかの事例を教えてくれない
そもそも,何かものを買ってくれたのに,何に使おうと思っているかを教えてくれないということは
あなたのことはほぼ信用していないので何も教えませんよ
と言われているのと同義である.
つまり,購入されるまで営業としてコミュニケーションがお客様と出来ていなかったということである.
どうすれば信用してもらえるのか?
信用されるためには相手が「ああ,そうか,そういう風に使えるのか?」など言われるような有益な情報を提供することが必要なのである.
いわゆる「ギブアンドテイク」だ.
買ってもらうまでに何も情報を与えていないのに「何に使っているのですか?」と聞いても教えてくれるわけはない.
有益な情報を提供するために何が必要かというと,そもそも一番最初に「何に使おうとされていますか?」と聞くことである.
人間というのは勝手なもので,分かっている人間からすると「そんな使い方は出来ない」と断言できることでもホームページやカタログを見るだけで「出来るだろう!」と思い込んでいることは多い.
そんな現場は何回も見てきた.
そして,実際うまく行かないことを実演したり,理論的に説明すれば,それだけで相手は「この人の言っていることが正しかった」と信用してくれる.
その状態であれば,何でも教えてくれるというか,いろいろ相談してきてくれる.
全体としては機密にあたる情報であったとしても,各部分部分のトラブルにおいて情報を開示しないことには一緒に対策を行うことは出来ない.
つまり,一緒に問題を解決しようとする場合において機密情報というものは存在しなくなる.どうしてもの場合はNDAを結べばいいのだが,普通はそんな局所的,断片的な情報だけ持っていても脅威にならない.
だから,普段からお客様とコミュニケーションが出来ているならば,ホームページに載せる事例に困るなどということがあるわけがない.
「用途事例が書けない」
という前にお客様に有益な情報を渡していたか,まず自分の態度を省みることから始めよう.
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