WordPressを生成AIで簡単に操作する方法
WordPress の記事を AI と一緒に確認したり,下書きを作ったりするとき,ブラウザで管理画面を開いて内容をコピーする作業が増えることがある.
Rectus Content Access for MCP は,認証済みの MCP クライアントから WordPress の投稿,固定ページ,選択したカスタム投稿タイプ,カテゴリー・タグ,画像を扱えるようにするプラグインです.
この記事では,WordPress の管理画面で行う設定から,Codex や Claude Code を接続した後にできることまでを順に説明する.

Rectus Content Access for MCP でできること
このプラグインを有効にすると,MCP クライアントから次のような操作ができる.
- 投稿,固定ページ,許可したカスタム投稿タイプの一覧取得,内容確認,新規作成,更新
- 既存のカテゴリー,タグ,カスタムタクソノミーの確認と,既存語句を使った設定
- アイキャッチ画像の設定,メディアライブラリの検索
- Codex と Claude Code からの画像の直接アップロード
- OAuth 2.1 によるブラウザ認証と,管理画面からの接続解除
ただし,MCP 接続だからといって WordPress の権限を超えることはない.接続を許可した WordPress ユーザーが,普段の管理画面で作成・編集・公開できる範囲だけを操作できる.
事前に確認すること
プラグインの動作には WordPress 6.9 以上,PHP 7.4 以上が必要です.また,MCP クライアントとの OAuth 接続には HTTPS が必要になる.
設定は WordPress にプラグインを導入できる管理者が行う.接続を許可する人は,あとから記事を操作する WordPress ユーザー本人でよい.例えば,投稿者権限のユーザーが接続を許可した場合は,その投稿者に認められている範囲でだけ操作できる.
プラグインをインストールして有効化する
WordPress 管理画面の「プラグイン」→「新規追加」を開き,「Rectus Content Access for MCP」で検索してインストールする.プラグインの ZIP ファイルを持っている場合は,「プラグインのアップロード」から ZIP を選択してもよい.
インストール後,「有効化」を押す.サーバー側で別の MCP Adapter プラグインを入れたり,Node.js を常駐させたりする必要はない.必要な MCP Adapter はこのプラグインに同梱されている.
プラグインのインストール以外に他のアプリをインストールする必要はない.
管理画面で MCP の利用範囲を設定する
有効化後,WordPress 管理画面の「設定」→「Rectus Content Access for MCP」を開く.

接続準備の状態を確認する
画面上部の「接続準備」では次の項目を確認する.
- MCP Adapter が「同梱・有効」になっていること
- HTTPS が「有効」になっていること
- 認証方式が OAuth 2.1(PKCE と自動更新)になっていること
- MCP エンドポイントが表示されていること
HTTPS が未設定の場合は,先にサイトを HTTPS 化する.HTTP のままでは OAuth 接続を開始できない.
これでも接続できない場合は,codex や claude code を再起動する.
再起動した後は新しくセッションを作成する方が確実に接続できるようになる.
操作を許可する投稿タイプを選ぶ
続く「許可する投稿タイプ」で,MCP クライアントに操作を許可する投稿タイプを選択する.通常の「投稿」と「固定ページ」は初期状態で許可されている.
カスタム投稿タイプを AI から扱いたい場合だけ,ここで該当する種類にチェックを付け,「投稿タイプの設定を保存」を押す.不要な投稿タイプまで許可する必要はない.例えばブログ記事だけを扱わせたいなら,「投稿」だけにしておけばよい.
0.5.5 で追加された固定ページテンプレートの操作
0.5.5 はすでに公開されており,このバージョンから固定ページ用のテンプレートも MCP で扱えるようになった.利用するサイトでは,プラグインを 0.5.5 以上へ更新しておく.
対象になるのは,現在有効なテーマのルート直下にある,page-*.php という名前で Template Name ヘッダーを持つ固定ページテンプレートです.子テーマを使っている場合は,子テーマ側のテンプレートを対象にするため,親テーマや別のテーマのファイルを直接変更しない.
MCP では,テンプレートの一覧取得,内容の読み取り,新規作成,更新,削除ができる.固定ページの取得・作成・更新では,page_template で利用するテンプレート名も確認・指定できる.デフォルトテンプレート を指定すると,固定ページを標準テンプレートへ戻せる.
- 更新前にテンプレートを読み取り,返された SHA-256 を使って更新する.その間に誰かがファイルを変更していた場合は,上書きせずに検知できる.
- 新規作成するテンプレートは,未使用の
page-*.phpファイル名にし,PHP の先頭とTemplate Nameヘッダーを含める必要がある. - 削除は完全削除であるため,対象の SHA-256 と明示的な確認が必要になる.そのテンプレートを使っている固定ページがある場合は,先に別のテンプレートへ切り替えなければ削除できない.
SHA-256 を使った更新競合検知とは
SHA-256 は,テンプレートの内容から作る「内容の指紋」のようなものです.同じ内容のファイルなら同じ指紋になり,文字を 1 つでも変えると別の指紋になる.利用者がこの値を計算したり覚えたりする必要はない.MCP クライアントがテンプレートを読み取るときに,テンプレートの内容と一緒に受け取る値です.
例えば,自分がテンプレートを読み取った後に,別の担当者が WordPress 管理画面やサーバー上で同じファイルを変更したとする.そのまま古い内容を保存すると,別の担当者の修正を消してしまう.0.5.5 では,保存直前に「自分が読み取ったときの指紋」と「今サーバーにあるテンプレートの指紋」が同じかを確認する.
- まずテンプレートを読み取り,内容と SHA-256 を取得する.
- 内容を修正して更新を依頼する.
- 読み取った後に誰も変更していなければ,指紋が一致して更新される.
- 誰かが先に変更していれば,指紋が違うため更新を止める.もう一度最新の内容を読み取り,差分を確認してからやり直す.
つまり,知らないうちに他の人のテンプレート修正を上書きしないための安全装置です.
テンプレートは記事本文とは異なり,テーマの PHP を変更する機能です.利用できるのはテーマ編集権限を持つユーザーだけで,WordPress 側でテーマファイル編集が禁止されているサイトでは使えない.本番テーマを変更する前に,内容を読み取り,バックアップや検証環境で確認してから更新するのが安全です.
Codex または Claude Code の接続コマンドをコピーする
同じ設定画面の「MCP クライアントを接続」には,サイト固有の設定コマンドが表示される.ここでは表示されたコマンドをそのままコピーして使う.
Codex の例は次の形式です.
codex mcp add wordpress-example-com --url "https://example.com/wp-json/mcp/mcp-adapter-default-server"
サイトごとにサーバー名と URL が変わるため,記事中の例を手入力するのではなく,管理画面の「Codex の追加コマンドをコピー」を使うのが確実です.
Codex App では,追加後にブラウザの認可画面が自動で開くことがある.その場合は画面で許可すれば接続完了であり,追加でログインコマンドを実行する必要はない.認可画面が開かなかったときだけ,設定画面にある codex mcp login のコマンドを実行する.
Claude Code は,設定画面に表示される claude mcp add と claude mcp login を順に実行する.2 つ目のコマンドでブラウザの認可画面が開く.

ブラウザで接続を許可する
認可画面では,WordPress にログインしているユーザーとして接続を許可する.ここで WordPress のパスワードが MCP クライアントへ渡ることはない.MCP クライアントに渡るのは,短時間で期限が切れるアクセストークンである.

同じパソコンでは,保存された認可情報が利用され,通常は自動更新される.接続をやめたい場合は,WordPress 管理画面の「設定」→「Rectus Content Access for MCP」の「OAuth 接続」から,該当する接続を無効化できる.
接続後にできること
接続が完了すると,Codex や Claude Code に WordPress の内容を確認・編集するよう頼める.最初は,いきなり公開を頼むのではなく,既存記事の検索や内容確認から始めると使い方をつかみやすい.
例えば,次のように依頼できる.
- 「投稿から『MCP』を含む記事を探して」
- 「この記事の本文とカテゴリー・タグを確認して」
- 「既存記事の文体に合わせて,下書きを作成して」
- 「この記事の誤字だけを直して,下書きのまま保存して」
- 「既存のカテゴリーだけを使って,この記事を分類して」
プラグインは,投稿の一覧取得,1 件の本文取得,投稿タイプの確認,ターム一覧の取得,新規作成,更新という流れを用意している.そのため,AI はまず既存の記事・カテゴリー・タグを確認してから,サイト内の表記に合わせた下書きを作れる.
新しい記事を下書きで作る
記事作成を頼むときは,「下書きとして保存」と明示すると,公開前に WordPress 管理画面で確認できる.タイトル,本文,抜粋,スラッグ,カテゴリー,タグ,アイキャッチ画像を指定して作成できる.
公開する場合も,内容を確認したうえで「公開して」と依頼する.プラグインは WordPress の公開権限を確認するので,公開権限のないユーザーの接続から公開されることはない.
既存の記事を直す
既存記事の修正では,先に記事を読み取ってから必要な箇所だけを変更できる.本文を丸ごと書き換える前に,「見出し構成は変えずに誤字だけ修正して」のように範囲を伝えると安全である.
公開中の記事の内容を直す場合は,更新するとすぐに公開内容にも反映される.大きな変更は,本文を別の下書きに作るか,WordPress のリビジョンを確認できる状態で進めるとよい.
画像を使う
Codex と Claude Code では,ローカル画像を一時チケットで WordPress へ直接アップロードできる.画像データを Base64 形式にして会話に含めずに済むため,大きな画像でも扱いやすい.
アップロード後は,取得したメディア ID を使ってアイキャッチ画像に設定できる.メディアの削除は完全削除になるため,削除する場合は対象の ID とファイル名を確認してから行う.投稿本文内の画像リンクは自動では書き換わらない点にも注意する.
接続できないとき
新しい MCP クライアントだけが認証できない場合は,まず設定画面の「Discovery metadata」が到達可能になっているか確認する./.well-known/ へのアクセスを WordPress より前のサーバー設定で処理していると,新しい OAuth 接続だけが失敗することがある.
また,記事が見えない・作成できない場合は,次を確認する.
- 「許可する投稿タイプ」に対象の投稿タイプが入っているか
- 接続を許可した WordPress ユーザーに,その投稿タイプの閲覧・編集・公開権限があるか
- HTTPS が有効か
- 接続先の URL とサーバー名を,設定画面のコピー用コマンドから登録したか
まとめ
Rectus Content Access for MCP は,WordPress の権限と管理画面の設定を保ったまま,MCP クライアントから記事作成・確認・更新を行うためのプラグインです.
最初に「設定」→「Rectus Content Access for MCP」で操作対象の投稿タイプを絞り,表示される接続コマンドで Codex または Claude Code を登録する.認可が終われば,既存記事の確認,下書き作成,小さな修正から段階的に利用できる.
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