Googleトレンドの使い方
今年(2021年)でGoogleトレンドは15年を迎えたそうだ.
出来た当初から,かなりお世話になっているが,ここで改めて Googleトレンドの効果的な使い方を紹介する.
上の Google の説明ページにも載っていない使い方だ.
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Google には巻かれろ
「長い物には巻かれろ」ということわざがある.
個人的にはあまり好きでない言葉ではあるが,必要な場合もある.
昔「なんでこうなってるんだ?」とマイクロソフト製品に文句をいうと必ず
「Microsoft には巻かれろ」
という人がいた.釈然としないが仕方ないなと思っていた.
これの亜種である「Google には巻かれろ」はしかし別に納得いかないわけでもない.
自分を客観的に見つめ直すとても良い機能なのである.
ホームページを作成する時は特に「自分の思うように作ってはダメ」なのである.
これは「心に触れるホームページをつくる」でも書いていて,このブログの根幹にある考え方である.
間違っていたとしても「多数派が正義となる多数決主義」がここには存在する.
実際,現実世界では多数派は結構間違っていることも多いのだが,これは Google がいっているのではなく,検索している人が多いという事実が反映されているだけなのだ.
この場合,正しい,正しくないはどうでもいいのである.
検索でアクセスされないとお話にならない.
まずはアクセスされるページを作って,そこで「間違っている」と主張すべきなのである.
「そんな言葉使わない」問題はすべて解決
カタログではその言葉は使っていない問題
ホームページを作成する時によく揉めることの一つに
「そんな言葉使わない」
問題がある.
特にベテランの開発,営業がよく使う言葉だ.
この言葉を聞いたときは特に注意したほうが良い.
派生文としては
- 素人が使う言葉だわ
- 昔からそんな言葉は使わない
- その言い方は間違ってるって
- プロはそんな風に言わないね
- そんな言葉使う人はお客様じゃない
- そんな言葉聞いたことないわ
などがある.
「え~,そうかな?」
と思っても,大抵ホームページを作成する方々は立場が弱いことが多いので押し切られてしまう.
そういう時こそ,神様,仏様,Googleトレンド様 である.
「私が言ってるんじゃないんです.Google 様が言ってるんです.」
注意点は自分の思った言葉にならないこともあるということである.
「私が思ってた単語も違うの?」
は良くある話である.自分が世間からずれているのである.仕方ない.
酷い時だと社内のだれもが
「そんな言葉使うの?」
となる可能性もある.
その場合はその会社全体が世間からずれているのである.それぐらいに思っていたほうがよい.
しかし,「長いものには巻かれろ」で Google 様の言うことには従わざるを得ない.
ここまで来てもまだ
- カタログは違う言葉なんだけど!
- パンフレットすっちゃったよ!
などという抵抗をする人たちがいるが,
「Google 様がいっているのに逆らうのか?」
という話である.水戸黄門の印籠並みの威力である.
「Gooooogle 様がいっているんだ!控えおろう!」
である.
これを社内の反対論者にはいいましょう.
必ずしも自分の味方でもなく,多数派なのは Google というか,我々(日本語の場合は大多数の日本人)であることに注意する.
外来語,最後にー(棒)伸ばす伸ばさない問題
これもいつも議論の対象になるが,Google トレンド様がいる限り迷う必要はない.
例えば,「モーター」という言葉,昔,大学の授業で先生は確かに「モータという」と言っていた記憶がある.
大体,「ー」を伸ばしたほうが現在は検索に使われているみたいだが,そうでないこともあるので要注意である.
「ー」がついていても毎回,トレンド様に聞いてみる必要がある.
実際,棒がついていないほうが検索量が多かった単語もある.
ちなみにこの Googleトレンド はサイトに埋め込むこともできると書いてあるので,埋め込んでみると以下のようにうまく表示されない.(2021/10)
とりあえず残してはおく.Google 様には何か深い考えがあるのだろう.
時代は移る問題
二つの単語を比較して,以前はあっちの単語の方が検索されていたが,今はこっちの単語の方が検索されているということもたまにある.
つまり,過信は禁物,常に謙虚な気持ちで Google 様にお伺いを立てる必要がある.
期間を「2004 - 現在」にすればかなり昔からの検索ボリュームの変遷を見ることが出来る.
前,検索した時にこうだったから,今もこうとは限らないということは肝に銘じておく.
同じ言葉で意味が違う問題
ここまで説明してきたが注意点がある.
同じ言葉なのに意味が違う場合がある問題で,これはどうしようもない.
例えば,「マウス」という言葉,これはパソコンで使う入力機器のマウス,ねずみのマウス,固有名詞である会社名のマウスなど文脈によって意味するところが変わる.
そのような言葉は Googleトレンド でも比較することは出来ない.
固有名詞と被ってしまう問題は結構存在するので,必ず気をつける.
以上のようなことに注意して Googleトレンド を使ってみるとよい.