メール開封確認とは 〜 設定方法と当てにならない理由
見積を送った.資料も送った.しかし何日経っても返事がない.
読んでくれたのだろうか.それとも受信箱の底に埋もれてしまったのだろうか.
そう考えて Outlook の「開封済みメッセージの要求」にチェックを入れて送ってみる.やはり何も返ってこない.
ここではメール開封確認とは何か,どうすれば設定できるのか,そしてなぜそれが当てにならないのかについて考えてみる.
メール開封確認とは
メール開封確認とは受信者がメールを開いたときに「読みました」という通知が送信者へ自動で返る仕組みである.
実現の方法は大きく二つに分かれる.
メールソフトの開封確認要求
一つはメールソフトに標準で備わっている開封確認要求である.
Outlook では新規メールの作成画面からオプションを開き「開封済みメッセージの要求」にチェックを入れる.
これで送信すると受信者の画面に「開封確認メッセージを送信しますか」という確認が出る.受信者が承諾したときだけ通知がこちらへ届く.
なお Gmail の個人向け無料アカウントにこの機能はない.Google Workspace を使っていて管理者が許可した場合だけ利用できる.
配信システムが表示する開封率
もう一つは HTML メールに小さな画像を埋め込んでおく方法である.
一ピクセルの見えない画像をメールの中に置き,それが読み込まれた時刻を記録して開封とみなす.
Web ビーコンやトラッキングピクセルと呼ばれ,配信システムが表示する開封率はほぼこの方式で測られている.
なぜ当てにならないのか
要求方式は相手が断れる
開封確認の要求を受け取った側には「はい」と「いいえ」が示される.
「いいえ」を押せば通知は飛ばない.メールソフトの設定であらかじめ常に無視するようにもできる.
つまり,通知が返ってこないことは読んでいないことを意味しない.
読んだ上で断ったのか,そもそも届いていないのかを区別できない.
さらに厄介なのは相手の画面に確認が出てしまうことである.
初めて連絡する相手にこれを送れば「見張られている」という印象だけが残る.知りたかったのは相手の関心であって警戒心ではない.
画像方式は数えすぎる
画像を埋め込む方式に確認画面は出ない.しかし別の問題がある.
多くのメールソフトは既定で画像の自動読み込みを止めている.この場合はしっかり読まれていても開封として数えられない.
逆の狂い方もする.
iPhone や Mac の「メールプライバシー保護」は受信した時点でメールの中の画像をすべて先に取得する.本人がまだ開いていなくても開封として記録される.Gmail も画像を Google のサーバー経由で読み込む.
法人宛てにはもう一つ事情がある.
届いたメールを検査するセキュリティ製品が,中身を調べるために本文中の画像を取りに行く.
相手の会社が大きいほどこの検査は厳重になり,人が一度も開かないうちに開封が立つ.
数字は出る.しかしその数字は少ない側にも多い側にも狂っている.
開封率が上がったから件名がよかった,とは言えないのである.
開封が分かったとして何をするのか
ここからが本題である.
仮に開封が正確に分かったとしよう.そのあと何をするだろうか.
開いたことが分かったからすぐ電話をかける,というのは早計である.封を切って一秒で閉じられているかもしれない.
封を切ったかどうかと読んだかどうかは別のことである.
営業が本当に知りたいのは開いたかどうかではなくどこまで読んだかであり,どこに反応したかである.
実店舗なら入店者数より,どの棚の前で足を止めたかを見るはずだ.入店者数だけを数えていても品揃えは決まらない.
開封ではなく閲覧を見る
メールの中のリンクを押してページを見たかどうかは画像の自動読み込みにもプライバシー保護にも左右されない.本人がブラウザで開かなければ記録は残らないからである.
そしてページが開かれたのであればそこから先はもっと多くのことが分かる.
- どのページを見たか
- どこまでスクロールしたか
- どこを読み返したか
- どのリンクを押して離れたか
レクタスのメールを配信する仕組みは誰宛てに送ったかを把握している.
そのためどこの誰が見に来たかと結び付き,閲覧者の行動を再現するアクセス解析ツールで一人ずつの読み方をそのまま再現できる.
開いたかどうかという一行の通知ではなく事例のページを二度読み返していたという事実が残る.
次に電話をするとき何を話せばよいかはそこから決まる.
これはこちらから追いかけるための道具ではない.相手が示した関心を受けてから動くための道具である.弊社ではこれを後の先と呼んでいる.
まとめ
メール開封確認には二つの方式があり,どちらも当てにならない.
要求方式は相手が断れる.画像方式は読まれていなくても数え,読まれていても数えない.
そして正確に分かったとしても開封という事実だけでは次の一手は決まらない.
見るべきは封を切ったかどうかではなくどこまで読んだかである.
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