AI と人が同時に WordPress を編集したら?古い内容による上書きを防ぐ

更新日: 公開日: 2026/09

AI と人が同じ WordPress 記事を編集するとあとから保存した側が先に保存された修正を消してしまうことがある.AI に記事の更新を任せる場合も記事を取得してから書き込むまでの間に人が修正する可能性がある.

WordPress 用 MCP サーバープラグインである Rectus Content Access for MCP は読み取った本文と現在の本文が同じかを更新直前に照合する.内容が変わっていれば古い状態からの更新として拒否する.今回は人の修正を古い内容で上書きしない流れを確認する.

AI と人が同じ WordPress 記事を編集し古い内容の上書きを安全機能が止めるイメージ

今回やりたいこと

公開済みの記事の末尾にある問い合わせ案内を新しい文章へ変更する.ただし Codex が記事を確認したあとに人が同じ本文を修正した場合は更新しない.

確認するポイントは次の三つである.

  • 人が追加した文章を古い本文で上書きしないこと
  • 競合を検知した時点で変更全体を保存しないこと
  • 最新版を再取得して変更予定を作り直せること

WordPress のリビジョンは上書き後の復元に役立つ.今回確認するのは上書きしてから戻すのではなく危険な更新そのものを止める仕組みである.

Codex へ渡した指示

指示は普段と同じように短くする.内部の操作名やチェックサムを指定する必要はない.

この記事の末尾にある問い合わせ案内を新しい文章へ変更して

Codex は対象の記事を読み取り変更箇所と変更後の文章を整理する.この時点ではまだ WordPress を更新しない.

MCP が WordPress から調査した内容

変更前に次の内容を確認する.

  • 対象の記事 ID と投稿タイプ
  • 公開状態,タイトル,スラッグ
  • 現在の本文と問い合わせ案内の位置
  • 変更対象の文章が一か所だけにあること
  • カテゴリー,タグ,アイキャッチ画像
  • 読み取った本文を識別する SHA-256 チェックサム

SHA-256 は本文から作られる内容の指紋のような値である.本文が一文字でも変わると別の値になる.利用者が計算したり覚えたりするものではない.

実行前の変更予定表

取得した内容を基に変更予定を示す.

対象 変更前 変更後
本文末尾の問い合わせ案内 お問い合わせは電話で受け付けています. お問い合わせは専用フォームから受け付けています.
タイトル・抜粋 変更なし 変更なし
カテゴリー・タグ・画像 変更なし 変更なし

記事全体を送り直すのではなく指定した一文だけを置き換える予定であることが分かる.

人による承認

変更予定を確認したら次のように承認する.

この内容で更新して

ここで承認後の書き込みより先に別の人が WordPress の編集画面から本文へ一文を追加して保存したとする.Codex が最初に読み取った本文と WordPress に保存されている本文は同じではなくなる.

同時編集が起きると更新が拒否される

Codex が更新を実行すると MCP は保存直前に WordPress の本文を読み直す.最初に取得した SHA-256 と現在の SHA-256 が一致しないため古い本文を基にした更新として拒否する.

このとき問い合わせ案内だけを無理に置き換えることはない.更新リクエスト全体が保存されないため人が追加した文章も現在の問い合わせ案内もそのまま残る.

Codex からは次のように状況を説明できる.

記事は取得後に変更されているため更新しませんでした.現在の内容を再取得して変更予定を作り直します.

エラーが返ったことではなく古い内容を保存しなかったことが安全機能の結果である.

最新版を再取得して更新をやり直す

競合を検知したあとは同じ更新をそのまま再試行しない.WordPress から最新版を取得し人が追加した文章と元の変更予定を比較する.

人の修正を残したまま問い合わせ案内を変更できる場合は新しい変更予定を示す.内容が重なっている場合や意図を判断できない場合は人に選択を求める.

新しい内容を承認してから最新版の SHA-256 を使って更新する.これにより人の修正と Codex の変更を両方残せる.

WordPress への反映

再承認後は変更対象の一文だけを置き換える.タイトル,抜粋,カテゴリー,タグ,アイキャッチ画像には触れない.

保存後には WordPress から記事を再取得する.処理の成功表示だけで判断せず変更後の文章と人が追加した文章が両方保存されていることを確認する.

再取得・公開ページによる検証

更新後は次の項目を確認する.

  • 変更した問い合わせ案内が一か所だけにあるか
  • 人が追加した文章が残っているか
  • タイトル,抜粋,カテゴリー,タグ,画像が変わっていないか
  • 公開ページに変更後の文章が表示されているか
  • キャッシュがある場合も最新内容を確認できるか

WordPress からの再取得は保存内容の確認である.公開ページの確認は読者に見えている内容の確認である.両方を分けて確認する.

注意点と MCP だけではできないこと

MCP が検知できるのは WordPress に保存された変更である.人が編集画面に入力していてもまだ保存していない内容は取得できない.

今回の照合は編集対象のフィールドごとに行う.本文を変更するときは本文の競合を検知する.同じ時間にタイトルだけが変更された場合は本文の更新と衝突しないことがある.これは変更範囲を必要以上に広げないための動作である.

また変更を検知しても人の意図まで自動では判断できない.最新版を取得したあとに二つの修正を両立できない場合は人が内容を確認して決める必要がある.バックアップや WordPress のリビジョンも引き続き必要である.

導入と接続方法は「WordPress を MCP から操作する「Rectus Content Access for MCP」の設定と使い方」を参照.部分編集と競合防止の仕組みは「Rectus Content Access for MCP 0.6.0 〜 記事の一部だけを書き換える機能」でも説明している.

まとめ

AI と人が同じ WordPress 記事を編集するときに重要なのは更新できることだけではない.取得後に本文が変わっていたら更新を止めて人の修正を残せることが重要である.

Rectus Content Access for MCP は更新直前に本文を照合して古い内容による上書きを拒否する.競合した場合は最新版を再取得し変更予定を作り直してから再承認する.この流れにより人による編集と AI による作業を安全に組み合わせられる.

 

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