Google 広告の効果を確認,効果測定する方法

更新日: 公開日: 2026/11

Google 広告は管理画面を見るとクリック数も表示回数も毎月きちんと出る.しかしそれは広告が「効いている」ことを意味しない.クリックされたことと問い合わせにつながったことは別の話である.

ここではBtoBの製造業で実際にあった分析事例をもとに,Google 広告の効果を自社で確認し測定する方法を整理する.

動画で要点を見る(5分19秒)
広告の効果測定|数百万円で問い合わせ0件だったGoogle広告をレクタスのログ解析で調べた

広告の管理画面だけでは効果が分からない

右肩上がりのグラフを見ながら首をかしげる担当者と,空のままの書類トレイ

ある製造業のお客様は資料ダウンロードを狙った Google 広告に月数十万円を半年以上かけていた.検索結果に出るリスティング広告ではなく,YouTube や提携サイトの広告枠に出るディスプレイ広告である.管理画面では毎月1万人以上が広告のページを訪れており一見好調だった.ところがログを調べると広告のページから生まれた問い合わせは0件だった.

クリック数や表示回数は「配信された」記録であって「届いた」記録ではない.管理画面が教えてくれないのは次のような点である.

  • 訪問者が会社から来たのか自宅や外出先から来たのか
  • ページを読んだのかすぐ閉じたのか
  • その後に問い合わせたのか
  • 検索や紹介など他の入口と比べて良いのか悪いのか

これを補うのが自社サイト側のログ解析である.

広告の効果を確認する5つの手順

1. 広告費と成果を並べる

最初に広告費の合計と広告のページから生まれた問い合わせの件数を並べる.問い合わせは広告のページを最初に訪れた人からのフォームでの相談として数える.資料ダウンロードは問い合わせと分けて数える.事例では広告費が数百万円に達していたのに問い合わせは0件で,広告から来たと分かる資料ダウンロードも1件もなかった.ダウンロードした人の多くはトップページや製品ページなど広告以外の入口から来ていた.

2. 月別の推移を見る

訪問数を月別に並べてダウンロードや問い合わせと照らし合わせる.事例では訪問が大きく増えた月以降にダウンロードはむしろ減っていた.広告の訪問が増えても成果が増えないなら成果は広告以外の経路から来ている可能性が高い.

3. 「しっかり読んだ」割合を見る

休日にソファでくつろぎながらスマホに出たページをすぐ閉じる人

訪問数ではなく読まれ方を見る.たとえば1回の表示でスクロールが3回以上かつ2秒以上滞在したものを「しっかり読んだ」と決めて割合を出す.事例の広告ページは8割以上がスクロールせずに閉じており,しっかり読んだ割合は5%未満だった.同じサイトの製品ページは7〜8割がしっかり読み進めていた.

4. 届いた相手を調べる

通勤電車でスマホの広告を開く会社員と,オフィスで製品ページを読む設計者

誰に届いているかはアクセスログから読み取れる.

  • どこから来たか:会社の回線か家庭向けや携帯の回線か.事例では約9割が家庭向けや携帯の回線だった
  • いつ見たか:就業時間中か通勤時間帯や昼休みか
  • どの広告面から来たか:参照元を見ると分かる.事例では大半が YouTube からで,残りもメールアプリや生活・エンタメ系のニュースサイトの広告枠だった.検索結果からの流入はなかった
  • 誰がダウンロードしたか:アンケートの回答から狙った相手かどうか

事例では朝の通勤時間帯と昼休みに集中しており,スマホのアプリ上の広告から開かれていた.設計者に向けた広告のつもりが生活者に届いていたことになる.ディスプレイ広告は配信先を絞らないとこうした広告枠へ広がりやすい.

スマホとタブレットに並ぶ動画やニュースやメールの一覧と,その間に入った広告枠

5. 他の入口と比べる

頬杖をついてモニターの製品ページを熟読する設計担当者

最後に検索やメール配信など他の入口と読まれ方と問い合わせを比べる.事例では製品名で検索して来た人が製品ページを熟読し,毎月の問い合わせにつながっていた.広告だけを見ていては気づけない比較である.

見えたことを広告の設定に戻す

ノートパソコンのグラフと紙の表を前に広告の設定を見直す二人の会社員

測定は直すところまでやって意味がある.事例では見えたことを広告の設定に次のように対応づけた.

  • 動画サイトやアプリから来ている:配信先からアプリや動画サイトを外す
  • 通勤時間や昼休みに家庭の回線から見ている:パソコン中心で平日の就業時間中に寄せる
  • 設計者以外に届いていた:業種や職種で絞る
  • 製品名で検索する人はよく読む:YouTube や Gmail に出す広告は製品名を Google で検索した人だけに絞る

製品名を検索した人に絞れるのは YouTube や Gmail など Google 自身のサービスに出す広告だけである.外部のニュースサイトやアプリに出す広告では製品名は「興味がありそうな人」の手がかりとして扱われるにとどまる.BtoB の製品名は検索する人が少ないので対象の人数が足りず配信が回らないこともある.

それぞれに翌月に確かめる数字を決めておく.しっかり読んだ割合や会社の回線からの訪問の割合や問い合わせの件数である.同じ予算のまま1か月だけ設定を変えて試し,同じ物差しで比べる.良くなったのか元に戻すべきかを数字で判断できる.

自社で測定するときの注意

  • 広告費は広告の管理画面から,問い合わせはフォームの記録から取る.数字の出どころを揃える
  • 「しっかり読んだ」の基準は最初に決めて途中で変えない
  • 期間は数日ではなく月単位で見る
  • 資料ダウンロードと問い合わせは分けて数える
  • リスティング広告とディスプレイ広告は届く相手がまったく違う.同じ Google 広告でも種類ごとに分けて見る

回線の種別はアクセス元のホスト名や組織名から判定できる.ただし広告の管理画面で見られるのは配信先や時間帯までで,来た人が会社の人か,ページを読んだか,後で問い合わせたかまでは分からない.ふつうはいくつもの解析ソフトを組み合わせて手で突き合わせることになる.

まとめ

広告の効果はクリック数ではなく「届いた相手」「読まれ方」「問い合わせ」の3点で確認する.事例では訪問が十数万あっても問い合わせは0件で,原因は広告そのものではなく届け先の設定が狙った相手に合っていなかったことだった.

レクタスのアクセスログ解析ツールやページ閲覧解析ツールでは,ここで挙げた回線の種別やスクロールや滞在時間や入口ごとの比較を一か所で1人ずつつなげて確認できる.広告費をかけているが問い合わせにつながっているか分からないという場合はまず上の手順で広告と検索などほかの入口を同じ3つの数字で比べてみてほしい.

※事例は実際の解析結果をもとに業種や時期や件数をぼかして掲載している.

 

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